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山中 伸介*; 阿部 和幸
JNC TY9400 2000-004, 78 Pages, 2000/03
高燃焼度時における高速炉用MOX燃料の挙動を把握するための基礎的研究を実施し、以下の結論を得た。プルトニウムをセリウムで代用した高速炉用模擬MOX燃料(U0.8,Ce0.2)O2にFPとして希土類元素及びジルコニウムを固溶させた模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を評価し、添加元素濃度依存性、温度依存性を明らかにした。(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を(U0.8,Ce0.2)O2の熱伝導度と添加元素濃度を用いた近似式で表現することができた。模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の機械的特性を試料中の音速とビッカース硬度から評価し、試料の弾性定数、ビッカース硬度及び降伏応力が添加元素濃度が増加するにつれて減少することを明らかにした。分子動力学法を用いて燃料の物性予測を、多相平衡計算プログラム"ChemSage"を用いて高燃焼度時における燃料中のFPの存在化学形態の予測を行なった。いずれの方法でも系のみを取り扱っただけであるが妥当な結果が得られた。
加藤 義春; 木村 貴海; 吉田 善行; 白数 訓子
Radiochimica Acta, 82, p.63 - 68, 1998/00
VI価アクチニルイオンの溶解度、加水分解種及び炭酸錯体の系統的、統一的な評価を行うため、0.1M NaClO,250.1C,80%CO/O雰囲気中でNp(VI)の溶解度を測定した。オゾンの供給により酸化されたNp(VI)の水相はpH測定、液体シンチレーション線計測、吸収スペクトル計測により分析した。固相はX線回折法、UV-Vis-NIR及びFT-IR光音響分光法により分析し、NpOCOであることを明らかにした。測定したNp(VI)の溶解度データから、溶解度積log Ksp(NpOCO)=-14.320.15を求め、安定度定数log (NpOCO)=9.170.16,log (NpO(CO))=15.240.21及びlog (NpO(CO))=20.560.34を得た。
木村 貴海; 加藤 義春; 吉田 善行; 白数 訓子
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(6), p.519 - 521, 1996/06
環境条件下のU(VI)及びPu(VI)の固液相平衡において、生成する固相に大きな違いがみられること、Np(VI)に関する同様の研究が全くないことなどから、Np(VI)の固液相平衡において生成する固相のスペシエーション(状態分析)を行った。オゾンを含む80%及び0.03%CO雰囲気、pH3.2及び4.4、0.1M NaClO、25Cの条件下で生成したNp(VI)の固相を、X線回折、紫外-可視-近赤外光音響分光、及びフーリエ変換赤外音響分光で分析した。その結果、80%COではNpOCO(s)が、0.03%COではNpO・HO(s)が溶解度を決定する固相であることを明らかにした。この結果から、Np(VI)の挙動はPu(VI)よりU(VI)に近いことを見出した。
加藤 義春; 木村 貴海; 吉田 善行; 二谷 訓子*
Radiochimica Acta, 74, p.21 - 25, 1996/00
これまでに報告のあったU(VI)及びPu(VI)の固液相平衡において、生成する沈澱の化学形に大きな違いがみられること、Np(VI)に関する同様の研究が全くないことなどから、Np(VI)及びU(VI)の固液相平衡の研究を行った。0.1M NaClO、25C、pH2.5~5.5において、オゾンを含む80%、0.99%及び0.03%CO雰囲気でNp(VI)の溶解度を、100%及び0.03%CO雰囲気でU(VI)の溶解度を測定した。生成した沈澱をX線回折及び光音響分光で分析した結果、80%及び100%COではNpOCO(s)とUOCO(s)が、0.03%及び0.99%COではNpO・HO(s)とUO・2HO(s)が溶解度を決定する固相であることを明らかにした。それぞれの固相に対して得られた溶解度積はlog Ksp(NpOCO)=-14.620.12、log Ksp(NpO)=-21.900.09、log Ksp(UOCO)=-14.100.14及びlog Ksp(UO)=-22.280.05であった。
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PNC TJ1214 94-002, 52 Pages, 1994/03
本研究では、ウランの非晶質固相(UO/SUB2・xH/SUB2/O)の結晶性固相(UO/SUB2(cr))への変化を実験的に観察するとともに、得られた結果を解析し、メカニズムの推定に基づく沈澱/溶解の速度式、速度定数の推定を行った。 以下に得られた結果を示す。(1)濃塩酸により金属ウランを溶解して得たU(IV)の溶液にアルカリを添加し、ウランの沈澱固相を得た。X線回析によりこの固相はウランの非結晶固相であること、TG/DTAにより1モルの結晶水が結合した状態であることがわかった。(2)初期の非結晶固相は素早く結晶化され、25度C、30日後では結晶化度として約40%の値が得られた。これに対し、ウランの溶解度はほとんど変化なく、10/SUP-10/mol/lであることがわかった。(3)平衡論モデルにより10/SUP10/mol/lとなるための支配固相は、UO/SUB2(Cr)であることが推定された。また、速度論モデルにより溶液中のウラン濃度の変化を解析した結果、UO/SUB2(cr)の沈澱速度定数が1x10/SUP-9/mol/cm/SUP2/-secの場合、約5時間でUO/SUB2(cr)の溶解度に近づくことがわかった。
山下 利之; 二谷 訓子; 大内 金二; 室村 忠純; 辻 利秀*; 稲垣 博光*; 加藤 徹也*
Journal of Alloys and Compounds, 213-214, p.375 - 377, 1994/00
被引用回数:12 パーセンタイル:66.82(Chemistry, Physical)U-Np-O系の相平衡を高温X線回折法および熱重量法で調べた。UOとNpOの粉末を所定の割合に混合し、Np(U+Np)比が0.2~1.0の試料を、空気中1300Cで10時間加熱反応させて得た。それらの試料をHe/8%H、CO/1%CO、N/100ppmO、N/1%Oならびに空気中において、それぞれ、室温から1000Cまでの温度に加熱し、その温度でX線回折を行った。空気中1000Cでは、Np/(U+Np)比が0.5以下の試料は蛍石型相とUOとの2相共存であるが、この比が0.6以上の試料は蛍石型相単相であった。蛍石型相の格子定数はウラン量の増加にともないわずかに減少するが、これは結晶半径の小さいU,Uの生成に起因すると考えられる。He/8%H中1000Cでは、すべての試料が蛍石型相単相であった。その格子定数と、Np/(U+Np)比との間に良好な直線関係がみられることから、低酸素ポテンシャル下ではNpOはUO中に全率固溶すると考えられる。
武久 正昭; 渡辺 博正; 栗原 寛人; 高坂 佳夫*; 丸山 義雄*; 宮永 一清*; 諏訪 武; 中島 隼人; 山口 康市; 東平 正道*; et al.
J.Appl.Polym.Sci., 24(3), p.865 - 882, 1979/00
被引用回数:4圧力100~400kg/cm、エチレン送入量1.2~11.8kg/hr、媒体送入量0~100l/hr、線量率610と1.410rad/hr、室温の条件下で、10の濡壁反応器を有するパイロットプラントを用いて、第3ブタノールを媒体としたエチレンの放射線重合の開発研究を行った。重合速度と分子量はいずれも圧力と平均滞留時間の増加とともに増大した。重合速度はエチレンモル分率が0.5のとき最大となるが分子量はエチレンモル分率の増加とともに増大した。重合速度の線量率依存指数は約1であった。第3ブタノール水溶液を濡液とした濡壁反応器を用いた結果、反応器壁等へのポリマーの付着量は気相重合法と比べると著しく低下し、長時間の連続運転が可能となった。また、媒体を用いることにより、高圧下で生成したポリマーをスラリー状で大気圧下まで、連続的に取り出すことに成功した。
宇賀神 光弘; 柴 是行
Journal of Nuclear Materials, 74(3), p.354 - 357, 1978/03
被引用回数:0高温ガス炉燃料系Th-U-C-O内の3相平衡〔(ThU)O+〔ThU〕C+C〕を熱力学的に解析し、KFAで開発された燃料タイプ(ThU)C添加(ThU)O粒子についてそのCO内圧並びに(ThU)Oと(ThU)CへのUの分配を評価した。その結果、CO内圧は2000kにおいて0.1気圧以下であり(無添加核では数百気圧に達する)、炭化物添加の効果が熱力学的計算によって裏付けられた。更に重要な知見として核分裂性ウランは(ThU)Cに富化されることが明らかとなった。例えば、粒子のU/(Th+U)比が0.1のとき(ThU)Oに3%(ThU)Cを添加した場合、前者の(Th+U)中のU濃度が7%であるに対して後者のそれは95%である。
宇賀神 光弘
JAERI-M 6804, 100 Pages, 1976/11
U-Pu-W-C系に生起する相及び反応を主に、本系の冶金学的性質を調べた。化合物の生成自由エネルギ-及びW添加炭化物燃料の炭素活量とU/Pu偏析とについて状態図のデ-タから推定した。その結果、W金属が炭化物燃料の熱化学的安定剤として極めて有用である事がわかった。また、WがU炭化物及び(U、Pu)混合炭化物と共存する時高温における安定性に優れている事が判った。
宇賀神 光弘; 阿部 治郎; 鈴木 康文; 高橋 一郎; 栗原 正義
Journal of Nuclear Science and Technology, 13(1), p.36 - 39, 1976/01
被引用回数:0U-Pu-W-C系合金のX線回析および金相試験によってこの系における相平衡を調べた。(UPu)CとWとの反応(両立性)を主に、Wによる(U,Pu)Cの安定化の可能性,(U,Pu)Cの(U,Pu)Cに対する存在相としての優越性について述べた。1700Cにおける相関係を等温断面図で示した。なお、最近カールスルー工研(西独)から発表された(U,Pu)Cと(W,Re)との反応の研究結果と本報との比較を行なった。